仕事に就く上で知っておきたいこと

介護は高齢化社会において重要な仕事でありながら、その業界は慢性的な人手不足に悩まされています。1人でも多くの人が介護職員として現場に参入することが望まれていると言えるでしょう。

介護の仕事に就きたいと考える人には、資格や給与について知っておくべき事項があります。まず、食事や入浴に加え排泄や移動など利用者の身体に触れる介助、すなわち身体介護を行うには、介護の資格が必要です。具体的には、介護職員初任者研修以上の資格を取得していないと、身体介護に携わることができません。ただし、介護施設の清掃や利用者の衣類の洗濯といった生活援助は、無資格でも行えます。

無資格者の中には仕事をしながら資格の研修を受講し、資格取得を目指す人もいます。無資格者は有資格者に比べるとできることが少ないため給与もそれに見合った額です。しかし資格を取得するとできることが増え給与も上がることがあります。また資格手当による増額も期待できます。

それから、介護職員の給与は低額で、高い離職率の原因になっていると言われていますが、行政機関の取り組みにより処遇改善加算などが実施されて、やや上昇傾向にあることを忘れてはいけません。特に、実務経験の長い介護福祉士に対しては、全産業の平均年収に近付けるよう、特定処遇改善加算の制度も導入されました。これにより、月額80000円以上の増額が見込める介護福祉士もいます。こうした改革によって、離職率が下がり、介護現場に定着する介護スタッフが増えることが期待されているのです。