健康を保つための簡単なフットケア

高齢者が2か月間欠かさずに筋トレをしたとしても、増強できる筋肉量は100グラム程度だといわれています。しかし高齢者の健康にとって大事なのは、筋肉量ではなくあくまでも筋力です。たとえ筋肉量が少なかったとしても、一定の筋力をキープできていれば健康喪失のリスクを減らすことができます。そして筋力をキープするために重要となるのがフットケアです。介護施設でフットケアを実施する際は、ストレッチと筋トレを必ずセットで行うようにしましょう。

フットケアをするためのストレッチの第一歩は、アキレス腱を伸ばすことです。壁に向かって立った状態で体と腕の軸の角度が90度になるようにし、両手を前に出して手のひらを壁につけます。そして10秒間隔で片方ずつの足を後ろに下げます。このストレッチのポイントは、膝を多少なら曲げても構いませんが、かかとは床につけたままにしておくことです。

フットケアとしての筋トレは、椅子に座った状態で片足ずつ5秒間隔で上げることです。上げたときの足は膝を伸ばして床面と平行にすればするほど太ももの筋肉に効果が表れます。またスクワットもフットケアには効果的ですが高齢者とっては負担が大きいです。そのためスクワットは椅子の背もたれをつかんだ状態から始めるようにしましょう。肩幅よりも両足を少し広げて5秒をカウントしながらゆっくりと腰をおろす動作がスクワットの基本となります。

介護職員はストレッチや筋トレの際に高齢者が痛みを感じていないかどうかをこまめに確認し、無理のない範囲でフットケアに取り組んでもらうようにしましょう。